持続可能な森林経営と生物多様性の維持・復元。
世界の森林は、60秒毎に30ヘクタール、年間ではおよそ140000平方キロ が失われているといわれています。 それは、わたしたち日本人から見れば、毎年、北海道と四国をあわせた面積の森が失われていることを意味しています。
一方で、たとえば2000年の日本の年間木材輸入額は、134億ドル、アメリカ、中国に次いで世界第3位の木材輸入国であり、国内で消費する木材の8割を輸入木材に頼っているのが現状です。
国土面積の3分の2にあたる約25120000haの森林を持ち、しかも、その40%が、木材生産などを目的に植林された人工林であるにも関わらず、経済的不採算などを理由に、そのかなりの部分を手入れ不足から荒廃させてしまっている日本が、外国の安い材木を大量に輸入していることは、間接的に、いや時には直接的に、世界の森林喪失、破壊的伐採を助長しているといえます。
わたしたちは、青梅の杜で、健全な生態系と生物多様性を維持し、時には復元しつつ、持続可能な森林資源の活用をめざしてきました。
その拠り所となる「青梅の杜21世紀計画」の精神とFSCの精神とは、矛盾しないどころかむしろ相互に補完し合い、青梅の杜での森林管理の方向性を高めていくものであると考えられます。
また、FSCの精神に賛同し、認証取得を目指し申請を行なうのは、木材の大量輸入、大量消費を続け、世界の森林の破壊的伐採の責任の一端を負うべき日本人として、微力ながらも、世界の森林が不当に減り続ける状況の改善に尽力したいという思いからでもあります。

わたしたちは、今後、FSCの精神を尊重し、100年先、400年先、千年先を見据えて、FSCが掲げる原則、基準その全てを遵守し、持続可能な森林経営を生物多様性の維持、復元というもう一つの大命題と両立させた、人にも自然にも優しく暖かく、美しく懐かしい杜づくりを進めていくことをここに宣言します。